マスク消毒器-消毒器部分の試作

実際に試作してみる

こちらで目標を決めました。

マスク消毒器-試作の前段階
  • 熱による殺菌と紫外線殺菌を併用する
  • 温度は56℃30分間~70℃60分間

まずはこれらをどのように実現していくかを検討してみます。

紫外線殺菌について

観賞魚水槽のフィルターボックス等に設置する紫外線殺菌灯(UV-C)がコストパフォーマンスに優れていたため、こちらを使用することにします。
低価格なものは1500円~3000円ほどで購入できるのですが、新型コロナウイルスの影響で配送が遅れたり、紫外線殺菌灯が品切れとなるお店も多いようです。
商品ができるだけ早く届く中で、設置の容易さと価格の安さを基準に商品を選択した上で、最もワット数が大きなモデル(11W)を注文しました。

なおUV-C紫外線は有害という印象が強いですが、222nm紫外線は安全性が実証されているようです。
参考 皮膚がんなどの発症なし 222nm紫外線(UV-C)繰り返し照射の安全性を世界で初めて実証 -医療分野や日常での殺菌・消毒の用途拡大に期待-神戸大学

量産されていくといいですね。

熱による殺菌について

殺菌器(箱)の中にはセンサーを設置するので故障を避けるために湿熱(水蒸気等)ではなく乾熱を用いることにします。

殺菌可能な温度まで高められる熱源には何があるのか考えてみます。

  • IHヒーター+フライパン
  • needlab.orgの方法
    空焚き防止/高温防止等の機能が十分な乾熱を得るために影響しないか心配です。

  • 白熱電球
  • hackerfarm.jpの方法
    取り付けるために穴開けする必要あり。

  • 布団乾燥機+空気清浄機用フィルター
  • 布団乾燥機の熱風も60-65℃あるとのメーカーサイト情報。
    空気中のゴミ・チリなども吹き出されてしまうため、衛生的に使用するためには空気清浄機のフィルターとの組み合わせが必要。
    サイズが合うフィルターが見つかるかどうかと、空気の出入り口を設ける必要がある点が課題。

  • オーブントースターを改造
  • 使いやすい開閉扉がありマスクの取り出しも行いやすいハズ。
    そのままでは高温すぎるため、温度を制御する必要がある(可能か?)。
    紫外線殺菌灯のサイズによってはスペースが不足する恐れあり

  • ニクロム線を熱する
  • アクリル曲げ機で使用したニクロム線を熱する方法。
    アクリル曲げ機では実測160℃まで上がっていたが、張り巡らせるとなると手間がかかり危険性もある。

  • ホットプレート・たこ焼き器
  • 安価な商品もあるため試作にはもってこい。
    プレートの熱でどのくらいの乾熱を発生させることができるのかわからない。
    安価な製品は温度調節ができない。

まずは最も価格が安く、素早くテストができるホットプレートを使用してみることにしました。
700Wのモデルを1200円で購入。

参考 山善 ミニホットプレート 一人用 レッド YHD-700(R)amazon.co.jp

温度ヒューズは192℃。

サーモスタットで一定温度に保つようになっているようです。温度調整はできません。

ホットプレートによる乾熱テスト

ホットプレートを余裕をもって覆えるサイズの木箱を作成し、その中にArduinoとGrove温度センサーを設置しました。
熱を拡散する助けになればと、ホットプレート上に大きめのヒートシンクを載せています。

参考 zspowertech ヒートシンク パワーアンプ用 60mm×150mm×25mm 冷却フィン アルミamazon.co.jp
GROVE - 温度センサ(サンプル)

温度測定グラフ

横軸は秒です。

木箱が大きめだったためか、温度が上昇するのに時間がかかっていますね。
約53℃までは勢いよく上がっていきますが、その後伸び悩み、最高で約56℃でした。

温度としては目標としていた最低ラインにギリギリ達したレベルですが、紫外線殺菌灯と併用することで効果を発揮できそうなところまで上がることが確認できて一安心。
このアプローチで進めていくことにします。

殺菌ボックスを作る

以下のような流れで準備していきました。
※乾熱テストの際に準備していたのはSTEP.2まで

STEP.1
ベースを決める
外箱に穴を開ける方法だと試行錯誤に手間がかかることと、穴を大きく開けすぎた場合に紫外線が漏れ出る可能性も考慮して、ベースは部屋にあった天馬 ワークインMにしました。
ポリプロピレン製なので耐熱100~140℃まで大丈夫だと思います。
本当は金属製or木製が良いのでしょうね。

殺菌灯の紫外線や熱(赤外線)を反射するために内側にアルミホイルを貼っておきます 。

STEP.2
木箱を作る
天馬 ワークインMの外側を覆う木箱を作ります。

ホームセンターで直線カットしてもらってきた9mm厚のMDF板を木工用ボンドで接着。
接着の際はハタガネを使わなくてもボンドで付けた上から養生テープを貼ることで固まるまで無事固定できました。

大きさはW52xD36xH36。

念のため接着部に裏側からホットボンドをさしておきます。

マスク入れ替えのために、蝶番を使って木箱の天板を開けられるようにしようかとも思ったのですが、隙間から紫外線が漏れる原因になりかねないと思い、スポッとかぶせる形にしました。

ただの箱だと持ち上げにくいため、ホームセンターで買ってきた取っ手を付けました。
MDF板なのでドライバーで回すだけで入っていく形状の付属ネジの方がラクだと思います。

STEP.3
木箱を断熱してアルミホイルを貼る
乾熱テストの際、木箱に触れてみるとポカポカ温かくなっていました。
熱が外に逃げてしまっているのかもと考えて、断熱のために木箱の内側に中空ポリカ板やプラダンを貼ることにします。
いずれも耐熱温度は130℃程のようですのでおそらく大丈夫でしょう。

中空ポリカ板やプラダンの上からアルミホイルを貼っておきます。
これで効率が上がるはず。

STEP.4
ホットプレートを設置する
ワークインの中にホットプレートを設置します。
乾熱テストの際はヒートシンクを1つだけ使っていましたが、それに加えて余っていたCPUファンを設置してみます。
本当はヒートシンク部分だけを置きたかったのですがファンが取り外せなくて・・・。

ファンはGND/+12Vだけを接続してフル回転で回します。
多少なりとも熱風を循環させる役割をしてもらえたらなと。

STEP.5
針金を通す
ワークインの隙間から針金を通します。
ワークインは中央部分にちょうどいい穴がないので、左右部分に針金を通し、その上に網を載せることにしました。
このあたりは様子を見つつ改良していこうと思います。
STEP.6
紫外線殺菌灯を設置
紫外線殺菌灯の設置場所はいろいろ配置してみた結果、シンプルにベースの上側中央にしました。
いずれがっちりと固定したいところですが、ひとまずアルミテープで固定して様子を見ます。

木箱をかぶせたところです。

再度乾熱テスト

横軸は秒です。
ホットプレートの電源を入れたのは約280秒後。

木箱で覆っただけの時の最高記録だった56℃は軽々とクリア。

69-70℃で安定させることができました。

乾熱殺菌のエビデンスがある70℃/60分を目指すにあたって、69-70℃で安定できたことはとても良かったと思います。
温度が高すぎても何らかの制御が必要になりますし、ちょうどよかったです。

それでは続いてArduino制御を進めていきます。

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