VF2の入力について更に調べる
入力猶予を活用したテクニックについて、環境によってできたりできなかったりするという話を聞いて、それでは自分の環境ではどうなんだろうと試してみたのが前回の記事でした。
サクッと数パターン調べて終わりにするはずだったのですが、調べていく中で想定と違うものが出てきてしまったため、システムの理解のため検証を続けてみます。
まだわからないことばかりで全体を見通せているわけではないため、現時点で要点をわかりやすくまとめることはできないと思います。
しかし長いこと放っておいて試した内容がどこかに行ってしまうことのないように、記録を残しつつ進めていくことにします。
試したことと、その結果を羅列していくだけになってしまうと思いますが、システム理解の一助になれば幸いです。
検証結果は当方の環境でのものであり、コマンドコントローラーの動作や検証内容の記録に誤りがある可能性もゼロではありません。
あくまで参考レベルでご参照ください。
2Pカウンター後の確定投げ
2Pでカウンターを取った後の投げとしては、以下の図の通りに理解しています。
(2Pの攻撃判定発生フレームでヒットした場合)
投げ無効時間中は両者とも投げが入らない状態。
硬化時間中は動くことができない状態です。
※入力猶予Fがあるため入力内容が確定するのは2フレーム目と理解しています。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 | B10111011, // 2P B11111111, // N 猶予F満了(コマンド完成) B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // P発生 B11111111, // P攻撃判定持続ここまで B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N B11111111, // N 硬化時間ここまで B11011111, // 4 B11111111, // N B11011111, // 4 B11111111, // N B11111111, // N B10011111, // 1 B11111111, // N 投げ無効時間ここまで B10011001, // 1P+K 相手側硬化時間ここまで B11111111 // N // 1行(1Byte)で1Fごとの入力データを表す // "B"+上下左右GPK(E) |
説明図中のフレーム番号と入力データの行番号が一致しているのがわかると思います。
1P側もこのような入力データを持っていて、1F目にP(軽量級の場合は肘など)を入力しているため、2P側しゃがみパンチの攻撃判定発生フレームでヒット(打撃カウンター)するようになっています。
しゃがみパンチ(2P)入力後28フレーム目にSSDの入力が完了するように入力した場合、攻撃側の硬化時間は過ぎているため動くことが可能。
そして投げ無効時間は過ぎていて、かつ、相手側硬化時間中なので、カウンターを取られた側は動くことができずに攻撃側の投げが確定します。
この時の投げは硬化カウンター(ダメージ1.25倍)です。
実際にカウンターダメージになっている動画です。
フレーム計算が正しいことが確認できました。
この時、1P側は投げ返しとして下段投げを入力していますが投げ返すことはできていません。100%投げ確定です。
投げ五分フレームでのSSD投げ返し(下段投げ)
2P側がしゃがみパンチ(2P)を入力してから29フレーム目は、相手側硬化時間も過ぎているため両者とも動ける状態です。
いわゆる投げ五分フレームですね。
このフレームで1P側/2P側ともに投げを入力してみます(1P側は下段投げ)。
攻撃側の投げだけでなく、しゃがみパンチでカウンターを取られている側の投げが決まっていることもあるため、投げ確定フレームの1フレーム後は想定通り投げ五分になっていることがわかりました。
このフレームではカウンターにはならないため両者とも通常ダメージです。
※たまたま投げ返しが成功している場面が多くなっていますが、SSDが連続で決まることもあります。
投げ返し側は先行入力が可能です
投げ五分フレームでのSSD投げ返し(上段投げ)
今度は投げ五分フレームで上段投げを使って投げ返してみた場合です。
投げ返すことはできず、通常ダメージのSSDがすべて決まっています。
投げ五分フレームでSSDを投げ返すには下段投げを入れる必要があることがわかります。
投げ五分フレームでのボディスラム投げ返し(下段投げ)
今度はしゃがみパンチカウンターから前ダッシュ~ボディスラムで投げてみたケースです。
ボディスラムは投げ五分フレーム(2P入力から29フレーム目)に入力。
投げ返し側は下段投げを入力しています。
SSDのケースとは異なり、投げ返しは一度も成功していません。
投げ五分フレームでのボディスラム投げ返し(上段投げ)
投げ五分状態でのボディスラムを上段投げで投げ返ししてみます。
今度は投げ返しが成功しています。
カウンター取った側 / 取られた側それぞれの投げが決まっているため、投げ五分になっていることがわかります。
投げの種類によって投げ返しが上段投げになったり下段投げになったりと変わることがわかりますね。
投げ確定フレームの1F前で投げを入力した場合
投げ無効時間の最後のフレーム(27フレーム目)で入力した投げが成立するか検証してみました。
SSDで投げる場合ボタン入力はP+Kになるため、もし入力猶予が効くのであれば1フレーム後の投げ確定フレーム(28フレーム目)での投げ成立となるはずです。
結果、投げは入りませんでした。
2P側のSSD入力のしゃがみパンチは1P側の硬化が解ける前に出始めるため、投げ返し(下段投げ)のしゃがみパンチに対してカウンターヒットしています。
投げ無効時間中の入力には猶予フレームはないようです。
(入力フレームで判定されている)
投げ五分フレームの1F後に投げ(SSD)を入力した場合の投げ返し(上段)
投げ五分フレームの1フレーム後(30フレーム目)に投げ(SSD)を入力してみたケースです。
投げ返し側はこれまで通り先行入力しています。
投げ返しコマンドは上段投げ(ボディスラム)です。
投げ返し側は先行入力ができるため、一方的に投げ返しが成功しています。
投げ五分フレームでSSDを投げ返すには下段投げにする必要がありましたが、投げ五分フレームを過ぎてしまうと上段投げで投げられることがわかります。
カウンターを取って投げに行った際に投げ間合い内に入っていた場合は、投げ確定フレーム / 投げ五分フレームのいずれかで必ず投げを入力しなければ投げ返しを100%食らってしまうということですね。
投げ五分フレームの1F後に投げを入力した場合の投げ返し(下段)
同じ状況で下段投げで投げ返しを行ってみたケースです。
双方とも投げを決められていません。
SSDを投げ五分フレームで投げ返すには下段投げ入力が必要でしたが、投げ五分フレームを過ぎてしまうと下段投げは入らないことがわかります。
※SSD入力の後、レバーを斜め下に入れたままにしていても同じでした。
投げる側は投げ五分フレームの1フレーム後(30フレーム目)にSSDの3P+K部分を入力しているのに対し、投げ返し側は先行入力を行っているために相手側硬化時間が切れた29フレーム目にしゃがみパンチが出始めます。
そのため投げ返し側のしゃがみパンチがカウンターでヒットしています。
2Pカウンター後の確定投げの1F後にGボタン
フレーム計算通りに投げ確定フレーム(28フレーム目)に投げ入力を行ってもカウンターダメージで投げが確定したことから、
カウンターをとった後の投げには入力猶予はないと考えていました。
ところが、SSD入力の次のフレームでGボタンを追加入力したところ、以下のように投げが失敗してしゃがみパンチになることがわかりました。
ただのしゃがみパンチではなく3N3P+K,Gのケースと同じように下段投げになっているようです。
ラウ 2Pカウンター~柳手掛塔を投げ返す
ラウの強力な連続技として柳手掛塔~PPPKがあります。
柳手掛塔はよろけ扱いになっており、3発目のPが急所カウンターとなることで相手側の硬化時間が増え4発目のKが連続でつながります。
柳手掛塔~PPPKが入らないケースは以下の3パターンと認識しています。
- 硬化カウンター1フレーム(投げ確定フレーム)で投げた場合
- 投げ側のラウが逆足の時
- 対軽量級の時
硬化カウンター1フレームで投げた場合にPPPKがつながらないケースです。
柳手掛塔からのコンボはPPPK以外も強力なのですが、少なくともPPPKにつなぐ場合は投げ五分フレームで投げなくてはなりません。
投げ返しができる可能性があるなら、ボーっとしてただくらってしまうよりも投げ返しを狙いたいですよね。
(投げ返し側は先行入力ができるためビタ押しである必要はありません)
SSD投げ返しは下段投げでしかできなかったため、柳手掛塔の投げ返しを調べてみました。
上段投げ(ボディスラム)での投げ返し
ラウ側は投げ五分フレーム(29フレーム目)で柳手掛塔を入力。
投げ返し側は先行入力しています。
SSD投げ返しが下段投げである必要があったのは、投げコマンドがしゃがみパンチ入力になっていたせいだと考えていました。
そのため柳手掛塔の投げ返しも下段投げである可能性もあるかな、と思っていたのですが、上段投げで投げ返すことができました。
P+K+G入力の投げでも投げ返すことができました。
入力タイミングは同じです(29フレーム目)。
しゃがみパンチカウンター後のP+K+G投げ
晶・影丸の2キャラで確認しました。
カウンター後の確定投げ(1.25倍ダメージ)・投げ五分(通常ダメージ)ともに他の投げよりも1フレーム遅く入力する必要があるようです。
理屈がわかっていないのでとても不思議な感じがします。
しゃがみパンチで打撃カウンターを取るとダメージ15。
影丸のP+K+G投げはダメージ50です。
もし投げが通常ダメージなら(15+50)*3=195。
デフォルトの体力は200なので3セットではKOできない計算。
一方、投げが硬化カウンターダメージなら(15+62)*3=231。
3セットで十分KOできる計算です。
硬化カウンターダメージのP+K+G投げ
他の投げでいうところの投げ五分フレーム(29フレーム目)に影丸でP+K+G投げを入力してみました。
3セットでKOできているため、硬化カウンターで投げが入っていることがわかります。
投げ返すこともできませんでした。
通常ダメージのP+K+G投げ
今度は30フレーム目に影丸でP+K+G投げを入力してみました。
他の投げでは投げ五分の1フレーム後になるため、先行入力の投げ返しに必ず負けてしまうフレームです。
こちらは4セットでKO。
投げは通常ダメージであることがわかります。
通常ダメージなのに投げ五分になっているわけでもなさそうです。
投げ返しを5ラウンドの間試してみたのですが、一度も成功しませんでした。
(投げ五分のケースでこのようなことはありません)
最後のラウンドだけギリギリ3セットでKOできているのが謎ですね。
更に1F後のP+K+G投げ
今度は31フレーム目に影丸でP+K+G投げを入力してみました。
投げ返し入力のボディブローが出てしまっていて、どちらの投げも成立していません。
入力猶予を利用した投げ入力
前回のお見合い状態からの投げ合い検証では、
P+K+G投げがP+G投げに勝ち、
P+K+G入力パンチがP+G投げに勝ちました。
その後も検証を進めていく中で、以下の優先順位があるように感じています(左が優先)。
P+K+G投げ >> P+K+G打撃 >> P+K+G以外の投げ >> P+K+G以外の打撃
これは投げについても入力猶予が関係しているからだと理解していました。
そのため、事前予想では投げ返し時もP+K+G投げだと一方的に投げ勝てるのではないかと考えていたのです。
しかし今回の結果を見る限り、そうではなかった。
また、投げ確定フレーム/投げ五分フレームでSSDを入れた際も、P+K+G投げではないにもかかわらず、フレーム計算した通りのフレームで投げ確定となり硬化カウンターダメージが入っています。
そのため、打撃カウンター~投げを行う場合は入力猶予が存在していないように思えます。
念のため実験してみることにしました。
入力猶予を利用したSSD
しゃがみパンチで打撃カウンターを取って投げに行く今回の検証ケースと同じ内容で、ボタンの入力だけ入力猶予を利用してずらし入力した際の動作について調べてみました。
1 2 | B10011101, // 1K B11111011 // P |
27F … 1K (2P側なので1N1P+K入力)
28F … P
の場合、27F目にSSDを入れた時と同じく投げは入りませんでした。
(27F目は投げ無効時間中)
28F … 1K (2P側なので1N1P+K入力)
29F … P
の場合、28F目にSSDを入れた時と同じ硬化カウンターダメージのSSDになりました。
29F … 1K (2P側なので1N1P+K入力)
30F … P
の場合、29F目にSSDを入れた時と同じ通常ダメージのSSDになりました。
この結果から、打撃カウンターを取ってSSDを入れる場合にも入力猶予が効いているのですが、1つ前のフレームで判定されていることがわかります。
28F … 1P+K (2P側なので1N1P+K入力)
29F … (入力なし)
と、次のフレームの入力がないケースなので、1つ前のフレーム(入力フレーム)で判定されていると考えられます。
入力猶予がないのではなく、入力フレームで判定されているだけなのかもしれません。
入力猶予を利用したP+K+G投げ
以下のように入力猶予を利用してP+K+Gを入力した時の動作について調べてみました。
1 2 | B11111001, // P+K B11110111 // G |
28F … P+K
29F … G
の場合、29F目にP+K+G投げを入れた時と同じ硬化カウンターダメージのP+K+G投げになります。
29F … P+K
30F … G
の場合、30F目にP+K+G投げを入れた時と同じ通常ダメージのP+K+G投げになります。
投げ返しもできませんでした。
この結果から、打撃カウンターを取ってP+K+G投げを入れる場合は入力猶予が効いており、最後に入力したフレームで判定されていることがわかります。
2Pカウンター~投げ(まとめ)
もっとシンプルな法則が導かれると考えていたのですが、調べていくほど謎が深まっていきました。
まだ十分に検証できたわけではありませんが、ひとまず現時点での結果をまとめておこうと思います。
しゃがみパンチで打撃カウンターを取った後の投げと投げ抜けの入力についていろいろ試してみた結果、以下のようになりました。
- カウンターを取り投げに行く場合、同時入力であれば入力フレームで判定される
- P+K+G以外の投げでボタンを入力猶予を利用してずらし押しした場合は、入力フレームで判定される
- P+K+G投げでボタンを入力猶予を利用してずらし押しした場合は、猶予フレームで判定される
- 投げ返しは場合により下段投げで行う必要がある
- P+K+G投げの場合は1F後に入力する必要がある
- しかし投げ返しでP+K+G投げを入れる場合は通常投げと同じタイミングで良い(先行入力のため?)
- 通常ダメージでP+K+G投げが入るタイミングでも投げ五分にはなっていない(投げ返せない)
試行回数は少ないのですが、再現できるためおそらく検証結果は間違ってはいないと思います。
しかしその解釈や理由付けについては、法則性が見えていないため誤っている可能性もあるかもしれません。
その他の発見
下パン化けP+G投げ
2.1のサラはレバーを入れているとP+G投げが入らなくなっているため、しゃがみパンチを2P+G入力で出すことによる投げとしゃがみパンチを兼ねた入力ができなくなりました。
2.1が出た当初、入力タイミングを工夫することでしゃがみパンチ化けのP+G投げが2.1でもできるのではないかと試行錯誤したことがありました。
その際「できた!」と思えたケースが何度かあったのですが、常に成功するわけではなかったため、気のせいかと思いあきらめていたのでした。
ところが1フレーム単位での入力を検証することができるようになり、実際に可能であることがわかりました。
(人間に常用できる類のものかどうかは別にして)
実際に検証してみて驚いたのですが、入力の方法で有効フレームが異なっていました。
サラ 下パン化けP+G投げ(2P+G入力)
2P+G同時入力する場合、1フレームだけ入力する必要があります。
1 | B10110011 // 2P+G |
2P+Gを2フレーム以上続けた場合はP+G投げは入らなくなりました。
1 2 | B10110011, // 2P+G B10110011 // 2P+G |
サラ 下パン化けP+G投げ(P+G,2入力)
一方、入力猶予を活かしてP+G入力の次のフレームでレバーを下に入れた場合は、レバーを下に入れ続けてもしゃがみパンチ化けP+G投げが成立しました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 | B11110011, // P+G B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111, // 下 B10111111 // 下 |
入力猶予を活かした入力方法の場合、ボタンを入力し続けていても結果は変わりませんでした。
以下のようにボタン入力(P+G)の次のフレームでレバーを下に入れていれば、そのまま押し続けていてもしゃがみパンチ化けP+G投げが成立します。
1 2 3 4 5 6 7 | B11110011, // P+G B10110011, // 2P+G B10110011, // 2P+G B10110011, // 2P+G B10110011, // 2P+G B10110011, // 2P+G B10110011 // 2P+G |
ラウ 2P+G入力(1フレーム)ケース
ラウでも試してみましたが、サラと同じようにしゃがみパンチ化けP+G投げは可能でした。